『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(東京サザエさん学会/彩図社)
「な、なんだって! 安倍首相より波平さんのほうが若いというのか!?」
──この知られざる実態に激震が走ったのは、4月22日に開かれた国会でのこと波平とは、言わずもがな国民的アニメ『サザエさん』の磯野波平である
まず、民主党の高橋千秋政調会長代理が安倍首相に波平の年齢を問い、それに対して安倍が「波平さんはですね、私より1つ若いんですねですから57歳ですか」と返答その後、高橋議員は「総理より4歳若い」と設定年齢を紹介し、サザエさんの家庭を基に少子化対策がいかに必要かを説明したのだった
さすがは高級フィットネスクラブに通っては汗を流すという安倍首相、たしかに波平よりもずっと若く見えるむしろ波平がそんなにも若かったのかと驚いた人が多かったようだが、しかし『サザエさん』の世界には、これ以上に驚くべき事実が山ほどある1992年に発売され、200万部を超える大ベストセラーとなった『磯野家の謎』より紐解いてみよう
まず、その年齢についてだが、マンガ版ではタラちゃんが3歳を迎えた時点ですべての人物の年齢が止まっているこの“永遠のループ”は通称「サザエさん時空」とも呼ばれているが、マンガ版ではサザエさんは27歳、マスオさんは32歳であることが考えられるというアニメの公式発表では「サザエ24歳、マスオ28歳」となっているので、年齢が多少違うようだ
そして、仮に年齢を重ねていた場合、昭和49年のマンガ連載終了時は「波平78歳、フネ70代前半、サザエ51歳、カツオ35歳、ワカメ31歳、タラオ27歳」というから、これを2013年の現在に置き換えると、波平はなんと117歳、サザエさんは90歳となるいかに長年愛され続けているのかがよくわかるデータではないか
また、アニメ版に親しんできた層には到底信じがたいのが、波平とマスオが“こだわり派のファッショニスタ”であるという指摘だろう波平は「戦後間もない混乱期」にも「蝶ネクタイにダブダブのズボン、帽子にステッキ」という出で立ちで外出このほかにも「カーディガンの襟元に水玉のスカーフ」をあしらってみたり、「ベレー帽を購入」するなど、ブリティッシュテイストがお好みのよう一方のマスオは「非常に前衛的」波平が銭湯で洋服を盗まれた際、銭湯の人が「おたくの若だんなが置きわすれたレインコートがありますわ」と持ってきたのは、「なんと透明のセロファン製のコート」だったというのだタラちゃんと広場で遊ぶときも「ゆったりしたシルエットの幅の広いパンツ」を着用するなど、本書では“マスオはイタリアンテイストを好んでいたのでは”と推測しているそれにしてもセロファン製のコートとは、マスオさんは早すぎた原宿系ファッションの体現者だったのかもしれない
さらに、専業主婦の代表格ともいえるサザエさんだが、実は仕事のため外に出ていた時期がある結婚前は丸の内の出版社に勤務し、芥川・直木賞の設立者である小説家・菊池寛に会ったりしていたそう好奇心旺盛なサザエさんに編集者はぴったりな仕事とも思えるが、なぜかすぐに退社結婚後も探偵社に洋裁の内職、近所の子供の英語教師、お手伝いさんのパートなどを転々としたが、どれも長続きはしなかったようだ
このような衝撃の内容が続く本書のなかでももっとも驚かされるのが、カツオの“女装男子”ぶりおさげヘアにセーラー服で“しつけの行き届いた女の子”に変身したときには、父親である波平ですら「カツオはどうした? 友達が待っとられるのに」と気付かない胸にパットを入れて大人の女に変装した際は、化粧品のセールスマンに「ちょっと! お嬢さま、ちょっとだけ」と声をかけられるほどなのだカツオの“男の娘”姿を見てみたい人は、ぜひマンガを読んでみていただきたい
ちなみに、いま安倍首相がぶちあげている再軍備の問題だが、実は磯野家でも昭和20年代後半の吉田茂首相時代に再軍備に関して議論が行われているここでは、マスオは推進の姿勢を見せ、波平は反対の立場を取っているとのこと安倍首相と年齢が近い波平だが、そ松本人志監督が5月13日(月)、4本目となる監督作『R100』の製作報告会見を都内のホテルで行った
【写真】主演の大森南朋露出度の高さを口にする大地真央『R100』会見(全8枚)
2007年公開の『大日本人』を皮切りに、『しんぼる』、『さや侍』と独自の映画美学を貫き続ける松本監督は、待望の新作について「“R15”とか“R18”といった規制をすっ飛ばした作品にしたかった」と説明詳しいストーリーは「周りの大人から、あんまりしゃべるなと言われているので…」と明言を避けながら、「ムチャクチャな映画なので、世界観にとらわれず観てほしい」と自信を覗かせたまた、ワーナー・ブラザース映画が配給を手がけることも発表され、「映画の本分は、海を渡ることだと思っている」(松本監督)と海外進出にも意欲満々だ
会見には主演を務める大森南朋を始め、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、渡辺直美、前田吟、松尾スズキ、渡部篤郎ら豪華キャスト陣も勢ぞろい松本監督にとっても、これだけ多くの俳優を演出するのは初めてで「本当の意味での監督っていうのは、今回が初めてかもしれない」会見開催と同時に、映画のチラシも解禁され、その裏面には「謎のクラブに入会してしまった男日常生活に次々現れる個性的な女達契約は1年間ただし、絶対に途中でやめることは出来ない」、「誰も想像が出来ない、誰も体験した事が無い、刺激的な世界」、「ようこそ、未体験の世界へ」という謎めいた、そして何やら官能的な文言が踊っている
主人公を演じる大森さんは、「ずっとテレビで松本さんのバラエティを見て育った世代撮影はきつい部分もあったが(笑)、やはり主演は光栄な気持ち」と高揚した表情一方、女優陣は「衣装の露出は70パーセント」(冨永さん)、「私は60パーセントくらいかな」(寺島さん)、「人生で一番の露出で、ちょっとビックリ」(大地さん)、「私はほとんど露出している」(渡辺さん)と劇中での露出度の高さを口にし、映画の世界観を紐解くヒントを明かしてくれた
本作は、今年1月10日にクランクイン、4月8日に無事クランクアップ現在順調に編集作業が進んでおり、関係者によると「ジャンルは、ファンタジー・エンターテインメント」だという
『R100』は10月5日(土)より全国にて公開むしろ波平がそんなにも若かったのかと驚いた人が多かったようだ
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